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くらそのブログ

コロナその4:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)についての基本事項④予防:マスクについて
2020年4月20日

皆様、こんにちは。
今日はマスクについてです。
「そんなの知っている!」とおっしゃる方は今回のブログは飛ばしてくださいね。

一番強調したいことは「マスクはもしかしたら自分が持っているかもしれない感染症を他人様にうつさないため」にするのです。
決して「他人様から感染症をうつされないためにする」わけではありません。
体が元気なら多少の新型コロナウイルスが体に付着していても発症することはありません。
そういう状態を「無症状感染」と呼びます。
体に新型コロナウイルスが付着しているけど元気、ということです。
でもその状態で他の人達と接触したらどうなるでしょうか?
もちろん接触したり、くしゃみ・咳をすると自分の持っている新型コロナウイルスはその相手にうつってしまいます。
そしてその他の人が元気でない場合や持病がある場合は、あなたの接触やくしゃみ・咳などからうつってきた新型コロナウイルスの為に症状が出てしまうことがあります。
つまり発熱やだるさや肺炎などです。
それを防ぐためにマスクをします。

そのことを踏まえて述べますと、マスクは必ずしも不織布で作られた使い捨てマスクである必要はありません。
くしゃみ・咳を抑えるためですから、布製マスクでもいいのです。
極端な話をするとくしゃみ・咳を抑えるためにとっさに自分のハンカチ・マフラー・袖口で口元や鼻を覆うだけでも良いのです(もちろんそのハンカチ・マフラー・コートは帰宅したら洗濯か消毒をしてくださいね)。
ただ重要なのはマスクの着用方法です。
色々なイラストが出ていますのでご存じかと思いますが、「鼻からあごまでぴったりと隙間なく」マスクを着用することが必要です。
すこしでも隙間があると、くしゃみ・咳をしたときにその部分から新型コロナウイルスが飛んでしまい、そばにいらっしゃる方に付着する可能性が出てきてしまうからです。

私はどうしているかを申し上げますと、仕事のある日はまだ手元にある不織布マスクをしています。
でも仕事のない日に出かけるときは自分で作ったハンカチマスクや和手ぬぐいマスクをして出かけています。
この先不織布マスクが手に入らなくなりましたら仕事の日でもハンカチや和手ぬぐいで作った自家製マスクで仕事すると思います。
そしてそれで充分だと思っています。
布製マスクならハイターに浸けたり洗濯洗剤で洗えば新型コロナウイルスを撃退することが出来ますしね。
毎日使った使い捨ての不織布救を捨てるときは、マスクのひも(ゴム部分)や鼻あての針金をちぎって取っておいています。
自家製の布製マスクに使用するためです。

どうぞ、皆様の周りの大事な方のため、また知らない方に対しても新型コロナウイルスをうつさないためにマスクを着用しましょう。
みんながその意識でマスクをすれば、他人様からあなたに新型コロナウイルスがうつされる可能性も低くなるからです。
みんなが全員で「他の人にうつさない」という意識を持ちましょうね。

コロナその3:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)についての基本事項③予防:人体以外の消毒について
2020年4月18日

皆様、こんにちは。
今日は人体以外の消毒の仕方について書いていこうと思います。
人体と人体以外の消毒に使える物質は違います。エタノールは人体にも人体以外にも使える万能な消毒薬ですが、今は品薄ですよね?
そんな時はエタノール探しに時間をかけるよりももっと簡単に手に入る下記の要領で有用な消毒を行っていきましょう。
人体以外とは、ドアノブ・テーブル・洗面台・台所など皆が触るようなところと考えてください。
人体以外の消毒の一番身近なのはハイター(ブリーチ)などの次亜塩素酸ナトリウムです。
ハイターをそのまま(原液のまま)使ってはいけません!
気を付けなければいけないことはハイター液の濃度と作り方、どこに使えるかです。

(1)ハイター液の作り方
5mlのハイターに1リットルの水道水を加えることで出来ます。
ペットボトルキャップ1杯は5mlで統一されていますから、キャップに1杯のハイターをそのまま空のペットボトルに入れ、そこに水道水1リットルを加えたら出来るので簡単だと思います。

(2)ハイター液で気を付けること
水道水で作ることです。
精製水や純水である必要はありません。
また炭酸水では絶対作ってはいけません。
何故なら炭酸水とハイターを混ぜると塩素ガスが発生し、塩素ガス中毒になるからです。
ですから炭酸水が入っていた空のペットボトルでハイター液を作るときは十分水道水で洗ってから作るようにしてください。

(3)ハイター液が使えるところ
人体以外の木やプラスティック・ステンレスなどに使えます。
ハイター液で消毒した後は、その部分を水拭きしてください。
皮膚につくと皮膚が荒れるので、ハイター液で人体以外を消毒した後はよく手を洗うか、最初から手袋を着けてハイター液で消毒してください。
またステンレス以外の金属(例えば鉄だけで出来ている包丁や金属のボルトなどの工具、銅で出来たお鍋など)をハイター液で消毒すると腐食(だめになる)します。

(4)ハイター液での消毒の仕方
もしご自宅にハイターが入っていた空のスプレーボトルがあるなら、そこに入れ替えて使うことが出来ますが、ハイター以外の液体が入っていたことのあるボトルには絶対に入れないでください。ハイターに含まれている塩素がそのボトルに過去に入っていた物質と反応して塩素ガス(有毒)が出来ることがあるからです。
一番無難なのは新しい空のボトルを買ってきてスプレー(噴霧)することですが、スプレーでなくても構いません。
スプレーのついていない通常のボトルでもいいのです。布やペーパータオル・キッチンタオルなどにハイター液を含ませて拭くだけでよいと思います。
今は100円均一ショップにペットボトルの上に取り付けるスプレーキャップもあるともいますので、探してみてください。

(5)ハイター液の有効期限
残念ながらハイター液は1日(24時間)しか持ちません。ですから消毒をする日にその日の分を作りましょう。

コロナその2:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)についての基本事項②予防:人体の消毒について
2020年4月16日

皆様、こんにちは。
新型コロナウイルス感染症についての復習その2の消毒についてです。
ここで強調したいことは「1)人体の皮膚の消毒、2)人体以外の消毒は違う」ということです。
私たちの体はデリケートですが、また強靭でもあります。
実は病原体の種類によって有効な消毒薬は違うのです。
ですから今日は新型コロナウイルスに有効な人体の皮膚の消毒に限って書いていきます。

①エタノール(アルコールの一種)
②クロルヘキシジングルコン酸塩
③ベンザルコニウム塩化物
などです。

気を付けなければいけないのは①のエタノール濃度は少なくとも75%以上でなければいけません。
またエタノールは皮膚の表面の水分を奪うので、消毒した後に皮膚がカサカサになってしまうということです。
カサカサになった状態を放置してしまうと、カサカサ皮膚がめくれた部分から病原体(ウイルスや細菌やカビ(真菌))が皮膚の中に入り込むことがあります。
ですから消毒した後は保湿することも大事です。
②のクロルヘキシジングルコン酸塩や③のベンザルコニウム塩化物はジェル状になっていることが多いと思いますので、そこには皮膚をしっとりさせる保湿成分が配合されていると思います。

私個人は最初のブログで書いた手洗いを徹底して心掛けていますので、エタノールやその他で消毒するのは手術を行う時や、外出して手洗いが出来ないときに限っています。
自宅にいる際には消毒よりも手洗いの習慣を心掛けた方がいいと思っています。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)についての基本事項①予防:手洗いについて
2020年4月3日

皆様、こんにちは。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)についての基本事項の復習をしたいと思い、ブログを記しています。
全部を一度に記載するのは難しいですので、まず今日は予防についてです。

一番大事なのは「手洗い」です。
新型コロナウイルスは石鹸などに含まれている界面活性剤で感染力が弱まると言われています。
界面活性剤とは石鹸などに含まれている「泡」の部分です。
「泡」が立つものには固形石鹸・液体石鹸・泡状石鹸などのハンドソープがあります。
またシャンプーなども有効です。

手洗いの仕方を具体的に申し上げますと、
①両手を水に濡らして石鹸を泡立て
②両手から手首にかけて手のひらや指1本1本まですみずみまで、
③20秒(『ハッピーバースデー』の歌を2回歌う間)以上
行うことが大事です。

外出先での手洗いだけでなく、自宅に帰りましたら
・手洗い→そのまま顔を洗う(洗顔)→出来れば体も洗う(シャワーやお風呂)
ことが好ましいと言われています。
何故なら、顔のマスクで覆われていない部分や体には新型コロナウイルスが付着している可能性があるからです。
今日からぜひ石鹸を泡立てて新型コロナウイルスの感染力を弱めてしまいましょう。